狂犬病臨床研究会設立趣意書
平成18年10月
狂犬病予防法が施行され,関係者の尽力により狂犬病がわが国から姿を消して50年の歳月が流れています。当時活躍された方々はほとんど現役から退かれるなど、現在わが国には狂犬病を経験した医師や獣医師は本当に少なくなってしまいました。
このままでは,狂犬病を臨床診断できる医師や獣医師がいなくなってしまうことが危惧されております。
狂犬病は隣国をはじめ、世界中で発生しており、いつわが国に侵入しても不思議ではない状況です。万が一狂犬病がわが国に侵入した場合、狂犬病の診断ができずに初期の対応が遅れることが強く懸念されます。
こうした状況を解決するためには、医師や獣医師をはじめ一般の方々にももっと狂犬病に関心を持っていただくことが重要になります。
そこで「狂犬病臨床研究会」を組織して、狂犬病を早期に発見制圧できるよう、専門家における臨床診断や一般の方々に対する普段の狂犬病予防意識の啓発に取り組みたいと考えております。
具体的な活動として、海外での狂犬病発生状況を踏まえた視覚教材の作成、その他臨床診断教材の作成、狂犬病に関する正しい情報の発信などを考えております。
ぜひ本研究会設立の趣旨にご賛同いただき、医師や獣医師はもとより、行政担当者や研究者の方々、さらに犬の飼い主の方など広く狂犬病に関心を持たれる方々にご参加いただけますようお願い申し上げます。
発起人
佐藤獣医科 佐藤 克
杉山獣医科 杉山和寿
みずほ台動物病院 兼島 孝
唐仁原獣医科 唐仁原景昭
事務局 上村朋子